第168章 230.Dead White Invasion
瀞霊廷
十三番隊 隊舎裏修行場
「まだやっていたのですか」
臨がそう言うと その場に座り茶を啜っていた浮竹は彼女へと視線を向けた。
「臨!もう自分のは終わったのか?」
「滞りなく それよりも二人の様子は?」
その視線の先には ルキアと織姫。
彼女達を見つめる臨の視線はとても優しい。
「二人とも確実に強くはなってきているよ。一月でも 充分成長したくらいだ。」
「……そうですか」
浮竹の横に 臨が座り込み彼の茶を奪い取る。
遠慮なしに臨が茶を啜ると 浮竹は俺のなんだけどなと苦笑いした。
「ーーー血相を変えて隊舎裏の修行場を開けてくれと言ってきた時は何事かと思ったが……」
一月前
「臨ちゃん 私は強くなりたい。臨ちゃんに頼らなくてもいいくらい……黒崎くんを護れるくらい」
(強くなりたい か)
「朽木に良い友達ができて 良かったな」
浮竹の言葉に一瞬キョトンとし 言葉の真意を理解したらしく 臨は頷いた。
「……ルキアは友達を作るのが下手ですから」
「臨にまで言われるってことは 本当に下手なんだな」
「私に似てしまいましたから」
「本当によく似てるよな」
「………言っときますが 浮竹隊長のところにルキアを嫁には行かせませんからね」
そう言うと 浮竹は誰もそんなこと言ってないだろうと笑った。
「………それに 俺はお前以外とは」
「おや 地獄蝶ですよ」
なんとなく何か言われるのを察してか 臨の指先に地獄蝶が止まる。