第11章 11.Back.[Leachbomb or Mom]
飛びかかってきた緑色の小型虚が一瞬で、中のヒルと共に真っ二つになる。
何が起きたか理解される前に、刀の先がピタリと額に押し付けた。
『なっ………うごけ……ね』
「そういえば鸚哥を見ていて気になったのですが、あの鸚哥の中に子供の魂魄を無理にねじ込んだのは貴方ですか?」
カリカリと虚の仮面を削っていく。
すると虚は目を細めた。
『そうだよ、あの鸚哥に餓鬼の魂を入れたのは俺……それに俺はあの餓鬼の母親を殺したのさ!4、5年前になるかなァ、俺がまだ生きてた頃の話さ。当時の俺はいわゆる連続殺人犯ってヤツでよ……いろんな所を渡り歩いてよ、7、8人は殺したっけなァ、テレビでも結構騒がれたりして、有名人だったんだぜ。あの餓鬼の母親はその最後の一人よ!面白かったぜ、刺しても刺しても血だらけで逃げ回ってよォ、ガキを守ろうとするんだよ。最高だったね!これこそがコロシの醍醐味だ!!ってゾクゾクきたもんだ!!だけどそこからがいけねぇ、ベランダまで逃げたそいつを追っかけてトドメをさしたはいいが、その時あのガキが俺の靴ひもを掴みやがったんだ!そのせいで俺はバランスをくずし…………悔しかったね!親だけ殺して餓鬼を殺し損ねたってコトもだけどよ、何よりこの俺があんな餓鬼のせいで死んだってコトがよ、だから俺は糞ガキに罰ゲームをさせることにした!俺は生き残った糞ガキの魂を抜いてカゴに入ったインコの中にぶち込み、そして課題を与えた!そのままの姿で俺から3ヶ月逃げ回れ!それができたらテメーのママを生き返らせてやるってなぁ!』