第163章 214.Immanent God Blues
「一護が いない?」
「そうなの!お兄ちゃんがいないの!!臨お姉ちゃん何か知らない!?」
昨晩
「もう治ったのですか……」
「ええ……信じ難い速さですね」
空いていた筈の腹部の傷は すでに跡形もない。
「……ありがとう 織姫ちゃん。どんどん腕を上げていきますね。」
「え そ そんなことないよ!あたしなんて……」
すると一護は 治ったのかと申し訳なさそうな顔をして 臨を見つめていた。
「何ですか その顔は。せっかく私の傷が治ったのだから もっと喜んでくださいよ。」
「……けど」
「キミたちに退けと言ったのは私です。あの破面の強さ どちらにせよ一護でも歯が立たなかったでしょう。……それに私の傷は 相手を舐めてかかった自業自得ですしね。……だから そんな顔しないでくださいと 言っているでしょう。」
臨が立ち上がり 一護の頬を摘む。
「ほら 笑って」
そう言ってニコッと笑う臨に 一護は笑えなかった。
臨が困った顔をし 一瞬悩んでから 再び口を開く。
「…………一護 キミの内なる虚のことなら…浦原さんに訊いてみるといいかもしれません。キミの力を取り戻したのは 彼です。ならばその 内なる虚のことも……」
「…浦原さんには……訊く気は無えんだ。」
その言葉に 臨は口を閉じる。
「あの人は 何も話さなくてもきっと今の俺の状態には気付いてる。そして その解決法を知ってるなら きっと尸魂界に行く前に教えてくれてると思うんだ。何も言ってこないってことは あの人もコイツを抑える方法を知らねえってことだ。
俺はあの人に鍛えてもらった。充分感謝してる だから このことであの人を 問い詰めるようなマネはしたくねえんだーー…」