第160章 211.Stroke of Sanity
臨の剣がグリムジョーの頬へと赤い一筋の線をつける。
するとグリムジョーも その刃を臨の瞳スレスレへと近づけ 彼女もまた間一髪で避けその髪を散らした。
同時に 空いている左手でグリムジョーの腹部へと手を当て 叫ぶ。
「衝!!」
グリムジョーが吹き飛び 臨が間髪入れず飛びかかる。
仕留めたと臨は彼の首元へと剣を突き立てようとするも それを避けられ 傷口である腹部に衝撃が走った。
「っぐああっ!!」
痛みに耐えきれず 苦悶の声を溢す。
するとグリムジョーは不満そうに顔を歪め 声を荒げた。
「なんだよ……限定解除とか言いやがって………ガッカリさせんじゃねえよ死神!!マトモになったのはスピードと霊圧だけか!!あァ!?」
距離をとった臨から ヒューヒューと息が漏れる。
「…………だけ だと思うか?」
臨が斬魄刀を一度鞘へと納める。
「斬術の二十一」
そして逆手で柄を持ち直すと 両手で構えた。
「祀刃」
距離はある。
当たるわけがない グリムジョーはそう 確信していた。
直後 その身体には斜めに 大きく傷がつけられていた。
「………そういや ウルキオラから報告が入ってたな………不思議な斬術を扱うって……なあ死神…!」
「ガッカリせずに……済みそうですか?破面」
ぼたぼたと 血が地面に落ちる。
止まらない血に臨もそろそろ決めないとまずいなと感じながら 目を細めた。
空に 亀裂が 一つ