第135章 178.end of hypnosis10
「………どうした 何が可笑しい藍染」
夜一がそう聞くと、藍染は口元に笑みを浮かべたまま 応えた
「ああ 済まない 時間だ。」
その言葉に夜一が危険を感じ取る
「離れろ 砕蜂!!」
そうして慌てて離れると、藍染に向かって伸びる光に彼女達は呆然とした。
他の人々も ありえないと光の先へ視線を向ける
メリメリと音を立て 裂ける空
大量の 大虚
それと同時に 市丸と東仙にも光が降り注がれる
「………ちょっと 残念やなあ……………もうちょっと捕まっとっても良かったのに………」
市丸が乱菊へ視線を向ける
「さいなら 乱菊
ご免な」
地面ごと三人の身体が浮き上がる。
それに射場は逃げる気かと剣を抜くと、元柳斎はそれを制止した。
「あの光は 反膜 というての 大虚が同族を助ける時に使うものじゃ。あの光に包まれたが最後 光の内と外は干渉不可能な完全に隔絶されたせかいとなる。大虚と戦うたことのある者なら皆知っとる。あの光が降った瞬間から 藍染には最早 触れることすらできんとな。」
狛村が跳ね起き 東仙の名を叫ぶ
「降りてこい 東仙!!!解せぬ!!貴公は何故死神になった!?亡き友の為ではないのか!!正義を貫く為ではないのか!!貴公の正義は何処へ消えて失せた!!!!」
すると東仙は 声の方へ見えぬ視線を向け 応えた
「言ったろう 狛村。私のこの眼に映るのは 最も血に染まぬ道だけだ。正義は常に其処にある。
私の歩む 道こそが正義だ。」
「東仙………!」
浮竹が一本踏み出し藍染へと問いかける
「……大虚とまで手を組んだのか………何の為にだ」
「高みを求めて」
「地に堕ちたか 藍染……!」
するとその言葉に 藍染は自嘲気味に笑った
「……傲りが過ぎるぞ浮竹
最初から誰も 天に立ってなどいない
君も 僕も
神すらも
だが その耐え難い天の座の空白も終わる
これからは
私が 天に立つ」
さようなら 死神の諸君
さようなら 旅禍の少年
「また会おう 先生」