第117章 161.Scratch the Sky
白哉の腕から血が落ちる。
それを見て、白哉は今の光は何だと口にした。
「……貴様の斬魄刀の能力か…………黒崎一護……!」
一護が肯定する。
「斬撃の瞬間に俺の霊圧を喰って、刃先から超高密度の霊圧を放出することで、斬撃そのものを巨大化して飛ばす。そいつが斬月の能力だ。………狙って撃てたことは一度も無かった。今日まで俺は、自分がどうやってこいつを撃ってるのかさえ解ってなかったんだ。
臨が言ってたんだ、"私が教えられるのは気構えまでだ"ってな。その意味が、斬月と修行して初めて解った。俺に斬月のことを伝えられるのは、斬月だけだったんだ。」
一護の脳裏に、修行のそれが思い浮かぶ
「……月牙天衝…….」
一護が剣を構える
「もう一度言うぜ朽木白哉 卍解して俺と戦え!!俺は絶対に てめえを倒す!」
その言葉に白哉は天を衝くかと言うと、刀の切っ先を地面へと向けた。
「よかろう。それほど強く望むのならば、私の卍解 その眼に強く刻むが良い。」
剣を 手放す。
「案ずるな 後悔などさせぬ。その前に貴様は、私の前から 塵となって消え失せる
卍解 千本桜景厳 」
背後に現れた巨大な刃達が無数の刃になり散る
そして一護を追いかけ出すと、一護も大きく跳んだ。
それを追いかけ刃も舞う。
そしてガラ空きの白哉に一護は月牙天衝を放つと、白哉は舞う刃を集め自身の身を守った。
「………甘い」
それと同時に一護を刃が囲む。
逃げ場はない
圧倒的な量の刃は 一護を押しつぶした
「千本桜の真髄は、数億に及ぶ刃による死角皆無の完全なる全方位攻撃だ。貴様の斬魄刀の能力は確かに高い。だがーーーーー鈍重窮まる大技だけでは、千本桜を躱すことなど永劫叶わぬ。」
地へ伏せる一護。
一護は大きく息を吐き出し、呟いた
「……くそっ………….もうちょいいけると思ったのによ…….やっぱりムリだったか………そりゃそうだよな…………こっちだけ始解のままで…….卍解に勝とうなんてのがナメた話だ…………」
その言葉に白哉の視線が一護へと向く
「……言葉に気をつけろ小僧。まるで貴様が卍解に至っていると言っているように聞こえる」
すると、立ち上がる一護にはそうだよと言った
「……….そう言ってんだよ 朽木白哉!」