第101章 137.Surrounding Clutch
懺罪宮の扉が開かれ、ルキアが真っ直ぐと先を見据える。
更木と織姫により石田、岩鷲、茶渡の3人が牢から脱獄をする
その頃
双殛の丘の下にできたその空間で、恋次は刀を収め一護へと口を開いた。
「じゃあ 俺はいくぜ」
「………ああ」
剣を構えそういう一護に一瞥し、恋次は臨の横に立つ。
「臨さん………あいつは、一護は本当に大丈夫なのか?」
その言葉に臨はゆるりと視線を向け、心配するなと呟く。
すると恋次も心配はしてねーよと答えた。
「死なねえかどうかを訊いてんじゃねえ、修行もあそこまで進みはしたが、本当に卍解まで辿り着けんのかって訊いてんだよ」
すると臨は一瞬キョトンとし、それはわからないなあと笑った。
「うおーーい!」
恋次のその声にまた苦笑いする。
しかし臨は再び一護へと視線を向けると、恋次に背を向けたまま口を開いた。
「恋次………キミは自分が初めて立って歩いた時のことを覚えてますか?」
「あ?憶えてるワケねーだろそんなもん!」
「………憶えていない、ということは 意識していないということです。ならば何故立ち上がった?人は皆、生まれながらに立ち上がることを知っています。鳥は皆、飛ぶことを知っています。魚は皆、泳ぐことを知っています。それは本能です。本能で知っているからこそ、皆迷いなくその力を手にしようとする。………一護くんの迷いの無さは、その本能を思わせるのです。
彼は恐らく本能的に判っているのでしょう。自分がその力を持っていることを………だから私は信じます。一護くんがーーー卍解に至る者だということをーーーー」