第97章 -17.逸れ行く星々の為の前奏曲
ガブリとスルメを咥え、急いで帯を締める。
(まさか………恋次とルキアの晴れの日にあろうことか寝坊するとは!!)
「臨、早くせんと迎院式が始まるぞ!!」
「銀嶺隊長!!あと部下の書類お任せしていいですか!?」
「ああ、早く行け!」
教員羽織を肩にかけ、慌てて自室を飛び出す。
「行ってきます!!」
そう言って銀嶺の隣にいた白哉にもあとよろしくお願いしますと言って横を通りぬける。
髪も結わずに近道とばかりに柵すらも飛び越え霊術院へと走っていく。
「それじゃ、言ってくるねシロちゃん!」
そう言って日番谷の頭に雛森がポンと手を置く。
「シロちゃんてのやめろ!」
「あたしと同じトコに入学できるようになったら苗字で呼んであげる!」
「ふざけんな!誰が死神の学校なんか入るかよっ!!」
雛森が大きく手を振って駆け出す。
「寮に入っても休みになったら遊びにきてあげるからねーー!!」
そう言う彼女に、日番谷が二度と戻ってくんなと言う。
墓の前で吉良が手を合わせる
「……では、行ってまいります。父上、母上。」
そしてその頭上から木が異様な音を立て、墓石へと恋次が落ちてくる。
それに吉良は驚き、ルキアが草むらから現れると吉良は何なんだ君達はと叫んだ。