第81章 97.Talk About Your Fear
臨の剣が斬月へと当り、体が吹き飛ばされる。
砕ける岩と舞い上がる爆煙、それに一護はストップと声をかけると臨は呆れたように刀を肩にかけた。
「バカ野郎!!今の本気で殺そうとしたろ!!逃げなきゃ死んでるとこだ!!」
「そりゃそうですよ、殺そうとしてるんですから。」
サラリと応える臨に一護の顔が真っ青になる。
「追い込んで追い込んで、ギリギリまで追い込んで、さっきの斬撃をいつでもどこでも出せるようにして貰わないとダメなんですから。この、斬撃をね。」
割れた地面を指差す。
それを無茶言うなよと言うと、臨はできますよと笑った。
「今のキミは真の斬魄刀を発動し、戦い方も憶えつつある。才能はありますが、その実力はまだ三席四席程度です。副官以上の強さは別次元!その辺と対等に渡り合うにはその剣を使いこなすことが絶対条件です。
「………そんなこと言われてもな……」
「まあまあ、口で言っても分かりづらいですし、ここはやっぱり……」
臨が剣を揺らす。
そしてその凶悪な跳躍力で一護へと間合いを詰めた。
「こうしていっぱい追い込んであげますよ」
一護が再び宙へと舞う。
そしてぶつかった拍子に、その岩山が崩れた。
「まだまだいきますよ一護くん!!」
「ぐ……くそ!!!」
更に攻撃が一護へと当たる。
圧倒的な強さに手も足も出ないと言った風の一護に臨は眉を潜めると、大きくため息を吐いた。
「躱すときには、斬られるのが怖い」
その言葉に一護がピクリと反応する。
「攻撃するときには、斬るのが怖い」
「誰かを守ろうとする時にさえ、死なれるのが怖い。そんな覚悟でルキアを助けると言ったのですか?」
振り上げられる剣がゆっくりとその霊圧を上げる。
「躱すのなら、斬らせない!
誰かを守るなら、死なせない!
攻撃するなら、斬る!!
………覚悟してくださいよ、私を殺すという、覚悟を!!」
その言葉に、一護は何かを感じ剣を上へとあげた。
「…………できるじゃないですか、覚悟。」
お互いの霊圧があがる
「………普段は絶対に使いませんけど、今回は特別に見せてあげますよ、私の斬魄刀の能力。」
直後、刃が二つ交差した。