第76章 91.KING OF FREISCHUTZ
夜一はあちこちで霊圧の衝突があるのを感じ取っていた。
男が織姫に剣を振る。
それに応えようと織姫は攻撃を繰り出した。
「椿鬼!!孤天斬盾!私は拒絶するッ!!」
まっすぐとのびる攻撃。
瞬間、それは刀により斬られた。
「椿鬼くん!!」
織姫がかけより椿鬼を受け止める。
すると彼は織姫に悪態をつき、ヘアピンへと戻っていった。
「椿……」
「初めて見る術ではありましたが、貴女の攻撃には殺意などまるで無し!そんな術ではたとえ虚は殺せても、死神には到底通用しますまい……ここをどこぞの遊戯場と勘違いしておいでか?ここは戦場!殺意の籠らぬ攻撃で止められるものなど何一つ無し!!!」
再び襲いかかる凶刃
瞬間、その男の首に刀が押し付けられ、その剣は鞘で受け止められた。
「っな………」
「なら私が相手しますよ、一貫坂慈楼坊四席。」
「…………芭蕉臨"元"副隊長。」
その言葉に石田と織姫は絶句した
「ふく……たいちょう?」
「まあ、元ですけどね。」
すると慈楼坊は刀をひき、それを縦にして手を添えた。
「臨副隊長ならば仕方ありませんね………ならば御覧に入れましょう!私の斬魄刀の真の姿!……十五年前よりも強くなった私の姿を!!
羽搏きなさい!! 劈烏!!」
手裏剣のような、鏢刀のような武器が辺りを舞う。
「どうです!あの頃よりも私は強くなったのですよ!私は七番隊第四席一貫坂慈楼坊!!またの名を鎌鼬慈楼坊!!"鎌鼬"の称号は最強の飛び道具使いの証!!この宙を舞う無数の刃!劈烏を見て生き延びた者などただ一人として無し!」
目で追うことさえできないでしょうと刀が舞う。
瞬間、その刀が一瞬で砕け散った。
「……え?」
「その程度で最強の飛び道具使いとは、面白いことをいいますね。君よりもそこにいる石田くんの方がよっぽど強い。」
底冷えするような視線が慈楼坊に突き刺さる。
それに石田と織姫は身震いすると、今度は慈楼坊が鞘へとつかを戻しもう一度引き抜いた。
「い、今のはまぐれ!叛逆者の分際で余り図に乗ると!!」