第72章 84.The Shooting Star Project 2
上へと上がるそれに一同は感嘆の声をあげる。
「なんか、内部は思ったほど衝撃はないんだな………」
一護がそう言うと、岩鷲はこれからだぜと不敵に笑った。
突如スピードがあがり、横移動を始める。
それに合わせ岩鷲は持ってきていた紙を広げると、声をあげた。
「"継の口上"を行う!花鶴射法二番は二段詠唱なんだ!打ち上げから方向決定までを"先の口上"で、その後の加速と軸調整を"継の口上"でコントロールする!瀞霊廷に無事に突入するためにはこの砲弾の軸を安定させる必要がある!そのためには全員の霊力の放出量を均一に調節しなきゃならねえ!だが俺はこれから術式に入る!そうなると霊力の放出にあまり気を払えねえ!そこでだ!みんな俺の霊力量に合わせて欲しい!こいつに手を触れてれば周りの奴の霊力量がわかるハズだ、だからそれぞれで調節してくれ!……ミスったら終わりだ!頼むぜ!」
その言葉にみんなが頷く。
「花鶴射法 二番 継の口上!」
"三雀の縁 四竜の縁
五方塞がりて六里還らず"
"天風・猩々・匙・楡の杖"
「く、黒崎くん……ちょっと多い」
「そ、そうか?悪い……」
「黒崎!もう少し落とせ!」
「わかってるよ!これでもけっこう減らしてんだ!!」
「……一護…」
「わかってるってば!!」
その声に岩鷲の集中力が乱される。
すると同じ行をもう一度読むと言う失態を犯してしまった。
「バカ野郎!!同じ行2回読んじまったじゃねえか!!!」
「なんだよちくしょうそれも俺のせいかよ!?」
「てめーがギャーギャーうるせえから気が散ったんだろがボケェ!!」
二人が喧嘩を始め、織姫たちが止めようとする。
そこで茶渡はちらりと外を見ると、目を大きく見開いた。
「せ………瀞霊廷だ!」
臨が即座に反応する。
「こうなっては仕方がありません、全員ありったけの霊力を込めてください!!」
遮魂膜にぶつかった。