第51章 64.BACK IN BLACK
一護の叫び声が虚のそれへと変わっていく。
ダメだったかと臨はその瞳を震わせ今度こそ剣を抜く。
すると一護にかけていた縛道が解け始め、鉄裁は叫んだ。
「限界です店長!!封殺型に切り替えます!!」
印が結ばれ、鉄裁の指が地面へと突き立てられる。
「縛道の九十九第二番!!卍禁!!!」
煙があがる。
「初曲止繃!!」
一護に布のようなモノが纏わりつく。
「弐曲 百連閂」
針が刺さる
「お、おいっテッサイ!!何してんだよ!そんなモン食らわしたらソイツ死んじまうぞ!?」
ジン太が叫ぶと、鉄裁は致し方無いと答える。
「虚となる前に消えて頂く!」
「テッサ」
「終曲!!卍禁太封!!」
上から、四角いモノがソレを押しつぶそうとした瞬間、それは完全に虚と化した。
衝撃
それと同時に何かが穴から出て来る。
「な、何かが出てきやがったっ!!あのガキか!?」
ジン太が指を指す。すると何かは地面へと降り立ち、大きく砂埃をあげた。
雨とジン太を守るように、臨と浦原が彼らの前に立つ。
「なっ何なんだよ一体……おい!おまえか!?ガキ!!返事しろオレンジ色!!」
そう言ってジン太が返事をしろと声をあげる。するとそれは砂煙から姿を現した。
死覇装に 仮面
虚なのか死神なのか
それが背中にある刀に手をかけると、ジン太と雨が戦闘態勢になる。
しかし抜かれた刀に刀身はなくて、ジン太は舐めるなと襲い掛かろうとした。
しかし、それは予想と反して刀の柄で自身の仮面をかち割る。
それに二人は驚くが、何かは仮面を剥ぎ取り、その姿を現した。
「………あ…」
「ふうっ!」
一護の顔が、姿をあらわす。
「虚になったんじゃ……なかったのか。」
拍子抜けしたかのようなジン太の声。
一護は左手をぐーぱーし、その感触をたしかめた。
「オメデトさーーん♪」
パチパチパチと浦原が拍手をする。
「キッチリ死神に戻れたじゃないスか!お見事!レッスン2クリアっス!!」
直後、浦原の目に刀の柄が襲いかかった。