第50章 62.Lesson 2-2
「断ち切られた因果の鎖は、それ自身が自らを喰らい始めるんス。それが"侵食"。」
一護が壁に鎖を擦り付け、その先の化け物を落とそうともがく。
それを見て浦原はやめたほうがいいと言うが聞く耳を持たない一護に、化け物は彼の腹を食いちぎった。
「あーあ、だからやめたほうがいいって言ったのに。」
倒れこむ一護。
痛みに悶える彼に浦原は言葉を続ける。
「通常鎖の切断からその状態に移行するまでには、数ヶ月から数年かかりますが、この絶望の縦穴の底にはその自己侵食を活性化させる気体が充満させてあります。絶望の縦穴に於いて自己侵食が完了するまでの時間は、およそ72時間!3日です!それまでに死神になってそこから這い出してきて下さいね。でないと虚になった貴方を………あたしらが始末しなきゃならなくなる。」
「………てめえっ………俺を殺す気か……!」
そう言うと浦原はニヤリと笑った。
「アナタが諦めるなら、そういうことになる。」
「さて、と!」
浦原が臨に向き直り、彼は口を開いた。
「始めましょうか、臨さんも。」
雨とジン太が、医療器具のようなものが入ったワゴンをガラガラと押して持ってくる。
「ちょ〜〜っと痛いかもしれないけど、臨さんなら平気っスよね?」
その言葉に臨は額に冷や汗を浮かべるも、不敵に笑った。