第355章 684.The Blade
2つに裂けた男が 黒く染まり地面へとおちる。
それに藍染はまずまずだと呟くと 一護の視線は彼に向けられた。
「よく私の鏡花水月に瞬時に対応できたな」
「………途中から 違和感を感じてた。
あんたがみんなを鏡花水月にかけた時の感覚だ」
「…………そうだ。私は君達がここへ着く前に鏡花水月を解放し そして奴の全知全能の未来視に鏡花水月で干渉できる事を確信した。
あとは 鏡花水月の通用しない君だ。
君に鏡花水月の解放を見せぬままでいた事が こんな形で役に立つとはな。
ーーー黒崎一護」
直後 藍染の背後に黒が迫る。
「!藍染!!」
「鏡花水月が解けたな 慢心か限界か……なあ一護」
腹に響くような 低い声が聞こえる。
「あんなもので 私に死を与えられたと思ったか?」
その姿に 一護は絶句した。
「私の力は 未来を改変する
私が死した未来さえ 書き変えてやろう!!!」
一護が斬月を構える。
「無駄だ!!」
その音波だけで 斬月が吹き飛ばされると それを取りに戻った。
手をかける直前 黒がそれを阻み一護を呑み込もうとする。
「終わりだ 現世も尸魂界も 我が力の前に形を失い1つになる!!」
その直後 白い鏃が ユーハバッハを貫き、その動きをとめた。
「ーーー何だ これは」
その視線の先には 石田雨竜。
「今だ 黒崎!!」
一護が斬魄刀を掴む。
「一瞬………私の力を止めたからなんだ!!」
再び ユーハバッハが動き出す。
それに石田はダメだと呟くと 間に合わないと目を瞑った。
ユーハバッハの腕が 迫る斬月に触れる。
ひび割れた刀
それは砕け散ると
中から 黒瑠璃に輝く斬月が現れた。