第343章 626.THE HOLY NEWBORN
黒が床にのびる。
「ーーーお疲れ様です。陛下」
ハッシュヴァルトはユーハバッハにそう労いの言葉をかけると その側にいる白に視線を一度だけ向けた。
「ハッシュヴァルトか」
男が 振り向く。
その異様な姿に ハッシュヴァルト以外の親衛隊たちは大きく目を見開き 後ずさりをした。
大量の 目玉
「怖ろしいか?」
ユーハバッハが呟く。
「そう怖れずとも良い。いずれこの姿も見慣れよう。
ああ……それにしてもーーー
力が有り余るとは こういう事か」
その直後 地面が割れ それがバラバラと崩れ落ちた。
「うおおおおおッ!?」
ナックルヴァールが叫ぶ。
「おい!ハッシュヴァルト!!こっから落ちたらさすがに死んじまうぞ!!何とかしろよ!!陛下に進言してくれ!!なあ!!」
ハッシュヴァルトが跪く。
「ーーー素晴らしい御力です。霊王亡き後の世は 陛下の御力無くして成り立たぬでしょう。
お導きを 陛下」
その言葉に 深く低い声が響く。
「ーーハッシュヴァルト、我が第一の息子よ。
我が後ろに立ち、我が歩みを見よ
まずは 我等の国家を創り変えよう」