第339章 621.THE DARK CURTAIN
暗くなった空を檜佐木は見上げると 何が起こったんだと口にした。
「何がも糞も無い。滅却師共の仕業に決まっている。
見ろ 遮魂膜の一部が欠けている。瀞霊壁の一部が崩れたことで穴があいたのだろう。
先程の霊王の右腕は あの穴を通って霊王宮に向かったが この状態ではあの穴は敵方の格好の標的となる」
そう告げると 砕蜂は素早く天井へと登る。
「あっ 隊長どこ行くんスか!?」
大前田も慌てて追いかけると 砕蜂は心底不快そうに眉を潜め 口を開いた。
「どこにだと?貴様 このまま手をこまねいているつもりか?
あの忌々しい天蓋を破壊するのに決まっている!
ーーー卍解 雀蜂ーーー」
それを構えた直後 上から降ってくるそれに気付く。
それが砕蜂を飲み込むと その目を見開き降って来たものを振り払った。
「ええい!何だこいつらは!?」
払っても払っても消えないそれに 砕蜂の顔が歪む。
それに大前田は始解し 即座にソレらを潰すと 声をあげた。
「大丈夫っスか隊長!!」
「うるさい そして鈍い」
裏拳が 膨よかな顔にめり込む。
「研究室に入られて壊されたら終わりだ!一気に片付けるぞ!風死!」
「言われねぇでもそのつもりだ!鬼灯丸!」
「藤孔雀!」
3人が 斬魄刀を解放し応戦する。
しかし再び落ちて来たそれらに驚くと 次の瞬間 桜色の刃が黒を飲み込んだ。
「千本桜」
それでも 再び黒がその上をおそう。
「チッ キリが無え!クソっ!これじゃ天蓋を壊すところまで手が回らんぞ!」
一角が叫ぶ。
すると 唐突に重たい霊圧が周囲に満ち その黒い物体がひしゃげ 霧散した。
「!」
「滑稽だな。何をちまちまと刀で払っているのだ」
「……馬鹿な……お前は…………!」
ルキアの声が漏れる。
「霊圧で一息に 圧し潰せば済むものを」
そこには 藍染がいた。