第336章 618.THE DARK ARM
ユーハバッハが霊王へと手を伸ばした瞬間 黒がそれを弾く。
「……よもや貴様自身に妨げられるとは思わなかった……解せぬ………千切れた腕には最早霊王の意志は宿っておらぬと言う事か……ならばその腕ごと貴様を消し飛ばしてやろう!」
構えたその手は 一護へと捕らえられる。
「どけ 一護」
「よく止めた一護!」
夜一はそう叫ぶと四枚の札で霊王の足元を囲み結界を張った。
「この得体の知れぬ黒いものは 其奴の言うには霊王の腕!此奴が霊王の死体にしがみつく事で どうやら尸魂界は安定した。ならば!この姿のまま新しい霊王として留め置く!」
そう告げて彼女は印を結んでいくと ユーハバッハは一護に問いかけた。
「ーーー一護、お前は何故私を止める。霊王を斬ったのはお前だ。お前の中の滅却師の血は霊王の存在を許せぬ筈だ。
そのお前に 我等を止める理由などあるのか!」
「……俺は あんたを止めにここへ来たんだ……あんたを止めて 尸魂界と現世も虚圏も 全部護る為にここら来たんだ!」
「全て護るか 傲慢だな!
自分以外にはそれができぬとでも思っているのか!」
「俺以外の誰かにできたとしても 俺がやらずに逃げていい理由にはならねえんだよ!!」
一護が刀を抜く。
「月牙 天衝!!!!」
黒い波動が ユーハバッハを覆った。
砂煙から現れるその男。
「……ユーハバッハ、俺があんたの血を引いてる事は聞いた。
それが何だ
そんな事で 俺はあんたの思い通りにはならねえ」
その言葉に ユーハバッハが目を細める。
「思い通りにはならぬか 笑わせる。
……思い通りになるかどうかは 私のこの眼が決める事だ」