第320章 604.REVITALIZE
王悦の肩に 穴が空く。
遅れて吹き出す血液
「……何Dai こりゃあ……」
それに答えるように ハッシュヴァルト は口を開いた。
「聖別。不要な滅却師の命と力を徴収し、必要な者に分け与える力の再配分。
奪われた者は死に 与えられた者は更なる力を得て蘇る
陛下の御力の 一つだ。
霊子の塊ではなく力の移動だ。霊子を防ぐこの命の樹とやらも防げまい」
「成程Ne……更なる力Ka………それでさっきは通らなかった弾で ちゃんボクの体に穴があいたって訳Kai………」
その言葉に リジェは訂正する。
「間違いが2つある。
1つ目に この力は更なる力ではなく先程出すヒマが無かった僕本来の力。
そして2つ目に 君の体を貫いたのは 弾 じゃない」
一発 撃ち込む。
それを曳舟と天示郎はかいとしゃもじで防ごうと 王悦を庇った。
「だから 壁が何枚あろうと防げはしない」
「!?」
二枚の板に 穴が空く。
その先の王悦の胸部にも 既に大きな穴が 空いていた。
「僕の力の名は 万物貫通。
弾は無い。銃口と標的の間にあるものを 全て等しく貫通する。
一列に並んで来てくれるかな。
一発で撃ち殺せるように」