第316章 599.Too Early to Win
「さて 妾の剣も折れた。
二級神兵!"霊王の盾"よ!
此奴等を止めよ!」
その言葉に 黒い大男が上空から出現する。
「退がれ 臨」
ユーハバッハがそう呟くと 彼女は即座にユーハバッハの後ろにさがった。
「お前が手を下すべき相手では無い。零番隊は 我が親衛隊に相手をさせよう」
影から 四つの白マントが現れる。
仮面の男
左眼に刺青の入った男
得体の知れぬ者
前髪を一房眼前に垂らした男。
「よく見たら 下から連れてきて頂いたのは俺一人かよ」
前髪の長い男は 周りを見回す。
「こいつは活躍しねエとなァ……」
「そうだぞナックルヴァール!貴様が役に立たん様なら 我が貴様を斬って捨てるぞ!」
仮面の男が千手丸へと向かう。
それを 盾 が止めると 仮面の男は嬉しそうに笑った。
「ほう でかいな!」
男が距離を取る。
すると次の瞬間 得体の知れぬ者は その影から糸のようなものを伸ばし 盾をとらえた。
同時に 盾が有り得ない音を立てて折り畳まれていく。
それに千手丸は目を見開くと 刺青の男はその様子に ライフルのような武器を構えた。
「今 霊王宮が落ちるかも知れない と思ったか?
戦いに敗ける側はいつだって 理解も遅けりゃ反応も遅いんだ。
陛下がここに踏み入った時に 霊王宮はもう落ちてたのさ」
千手丸の脳天に 穴が空いた。