第311章 585.The Headless Star 4
「黒崎一護 我等を光の下へと導きし者よ
感謝しよう」
「……どういう意味だ」
「お前のお陰で 私は霊王宮へと攻め入ることができる」
「!?」
一護の顔が 驚愕に満ちる。
「お前が今まとっているその衣は 王鍵と呼ばれる 零番隊の骨と髪で編まれている。
霊王宮と瀞霊廷との間に存在する七十二層に渡る障壁を強制的に突破させる為 そして何より
その際の摩擦からお前自身を守る為に それ以外の素材では創り得なかったのだ。
素晴らしい耐性 素晴らしい防御能力だ
死神が手にできるものの中で それに勝る衣は無いだろう。
だが!その絶大な防御力ゆえ お前の突破した七十二層の障壁は その後6000秒の間閉ざす事ができぬ!」
直後 一護がその方へと駆け出す。
しかし 敵たちは通さぬとばかりに立ち塞がった。
「一護ォ!」
突如の怒鳴り声に 一護の視線がそちらへと向けられる。
「恋次!」
「とっとと行けよ 雑魚は通さねえ。
詳しい事ァ知らねえが 滅却師の親玉とは因縁があんだろ?
ゆずってやるよ。ついでに臨さんも連れて帰ってこい」
一護が 駆け出す。
それを追いかけようとする騎士達に 護廷の面々は立ち塞がり その進行方向を塞いだ。
「……カッコつかねえから 何度も言わせんじゃねえよ
通さねえって言ったろ」