第308章 547.PEACE FROM SHADOWS
影が 瀞霊廷を埋め尽くしていく。
「参ったね……臨ちゃん、本気でこの世界を壊すつもりだ
なあ 浮竹
君になら 僕らの幼馴染を止めることができるかなーーー」
千年前に戦いに敗れ 行き場を失った我が滅却師は
××××によりお前達死神が最も警戒していなかった瀞霊廷の中へと逃れた。
そして
瀞霊廷内の あらゆる影の中に霊子による空間を創り
それを以て 見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)と呼称した。
「つまり 我々は前回も今回も 瀞霊廷の遮魂膜を破って侵攻したのでは無く、既にその内側に居たのです」
ハッシュヴァルトが 告げる。
それに京楽は視線を向けると 目を剣呑に細めた。
「……いらっしゃい。貴重な情報をどうも。
隊首室のあった場所へ到達するのも早い 敵さんは随分デキる隊員を持ってるみたいだね」
「見えざる帝国 皇帝補佐・星十字騎士団最高位 ユーグラム・ハッシュヴァルト」
「護廷十三隊総隊長・一番隊隊長 京楽春水だ。着任したばかりだから知らないだろうけどーーー……
それとも ここへ来るって事はもう知ってるのかな?」
「ええ だから私が 最初にここへ来たのです」
「せっかちな話だ。千年待った戦いを 楽しもうって気は無いのかい?」
「ーー陛下は平和を愛するお方
辛い戦いなど 短い方が良いとお考えです。
故に 下される命令は一つ
瞬時に 敵全軍を殲滅せよ」