第305章 542.THE BLADE IS ME
星十字騎士団が 整列する。
次いで己が十字を奉上するのを ユーハバッハは壇上から眺めた。
「ユーハバッハ陛下に 敬礼!!」
「揃ったか 星十字騎士団。
諸君らに 吉報だ」
白い 美しい女性が靴を鳴らし 優雅に現れる。
「あれは……!」
「死神ではなかったのか!?」
騒めく騎士団たちに ユーハバッハが声をかける。
「知らぬ愚か者は いないようだな。
現在の名は 芭蕉臨という。それともう一人」
臨にとって 見覚えのある人物が現れる。
それに騎士たちは再びどよめくと 臨と同じ様に彼を紹介した。
「石田雨竜。この世に生き残った 最後の滅却師だ。
私は
この2名を 我が後継者に指名する」
一瞬 静けさが戻る。
「な……今、陛下は何と……?」
「陛下の後継者……!?あの得体の知れぬ二人がか!?」
「ちょっと待ってくれ陛下!!」
モヒカンの男が 叫ぶ。
それにハッシュヴァルトは静止させると、ユーハバッハは異論は認めぬと言い切った。
「臨」
「かしこまりました」
臨が一歩進み 声を上げる。
「陛下の御前で 図が高いですね。
"跪け"!!」
アルトの声が 霊圧の波紋となり広がる。
騎士たちはそれを感じ取ると 強制的に跪かされた。
「な……んだあ!?」
「……素晴らしい能力だ。臨」
「お褒めに預かり 光栄の極みです、ユーハバッハ陛下」
臨が跪く。
するとユーハバッハは 騎士達を見下ろし 口を開いた。
「異論は認めぬ 懸念も要らぬ。この者の力は この先の戦いで ここに居る全員がその身を以て知る事になろう。
以上だ」