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POLLUTE【BLEACH】[R-18]

第21章 21.6/17 op.5


ずるりと少女の皮が剥がれる。その様子を見て、一護は息を飲んだ。
「ど……ういう、ことだよ。」
「グランドフィッシャー。」
臨がそれの名を示す。
「その虚の呼称です。自らは姿を隠し、首から生えた疑似餌に人の形を取らせ、それが見えた人間……つまり霊的濃度の高い人間のみを襲って喰らう。そうすることで自らも高い力を得て、54年の長きに渡って我々死神を退け続けてきた……」
「臨殿が追い続けていた虚だ。」
ルキアがそう続け、一護の視線がそちらへと向く。
「知名度は中の上、こうして尸魂界のデータベースにしっかりと記録が残っている程度には名が知れているということだ。」
伝令神機から出た紙が、一護に手渡される。
それをくしゃりと潰すと、彼は下唇を噛んだ。
『それにしても、わしの姿が見える奴が多いの……大量だわい………嬉しやひい、ふう、みい、よ……参ったの、こりゃぜんぶわしの腹におさまりきるかのぉ』
高らかな笑いが響く
直後、一護が虚に斬りかかった。
「迂闊だ一護!!」
叫ぶルキア、空ぶる刀と飛び上がるグランドフィッシャー
先程鬼道で落とした腕が再び生え、一護へと襲いかかる。
それを間一髪と避けるも、グランドフィッシャーは自身の毛を目一杯空へと広げ、彼を捕らえようとした。
その前に、臨がそれを切り落とそうと刀を抜いた瞬間、一護は叫んだ。
「手を出すんじゃねえよ!!」
ピタリ、と臨の動きが止まる。それと同時に宙を舞う虚の手が、やけにゆっくりと地面に落ちた。
「いち……」
「臨が追い続けてた虚だろうがなんだろうが、こいつはおふくろの仇だ………」
頼む、手を出さないでくれとそういう横顔に、臨が息を飲む。



「これは、俺の戦いだ。」

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