第274章 472.Razoredge Requien
白哉斬魄刀を 己の斬魄刀で止め 月島の刀を鞘で止める。
そのまま千本桜を切断し 遠くへと飛ばすと 始解した千本桜に臨は己の斬魄刀を解放した。
「嬲れ 皇骸浅打」
黒い影がそれを包み込み止める。
そして臨は眉を顰めると そっと呟いた。
「………この未熟者が」
「流石 白哉の師だけあるね。千本桜の対応の仕方も知っている訳だ」
「白打と歩法では 最早私は白哉に勝つ事はできませんけどね!」
臨が斬魄刀を腰へと戻した瞬間 白哉はその斬魄刀を地面へと向けた。
「卍解 千本桜景厳」
圧倒的な質量の刃が 臨へと向けられる。
しかし臨は瞬歩で白哉の背後 20センチをとると 右の掌で白哉の頚椎を狙った。
しかし その手が 刃へと包まれる。
「ーーーー………」
途端に白哉から距離をとる。
そして即座に標的を月島へと変えると 傷のない左手で斬魄刀を逆手で抜いた。
「悪いけど 白哉に君の斬術に関して全て聞いているんだ。無論その各自の構え方とそれに合った対処法もね。
悪いけど、君も斬らせてもらうよ」
臨の目の前に 月島の刃が迫る。
しかしそれよりも速く男の胸に臨の手が触れると
そのど真ん中に穴が開いた。
「な…………ん………」
貫かれたわけじゃない。ならば 何故。
直後 目の前を舞い落ちる桜色の刃に 月島は眉をよせた。
「………まさか……あの時白哉の刃を掴んで………」
「正解です。私は白哉を信頼していますから。どんな状況でも対応してくれると」
月島の視線が 白哉へと向けられる。
その目は やけに静かで
「絶対的な 信頼関係……」
そして その体が地面へと倒れた。