第271章 464.Quiet Chamber,
月明かりが二人を照らす。
「どちらかといえば、ルキアか恋次の援護に行って欲しかったのですがね」
「……ルキアも恋次も あの程度の輩にやられる程弱くはない。そして、この男も兄に刀を振らせるほどの強者とも思えぬ」
その言葉に臨は肩を竦ませ過大評価ですよと月島に視線を向けた。
「舐めてかからない方がいいですよ。特に どんな手を使う相手かわからない時は」
「話はおわったかい?」
臨が斬魄刀を鞘へと納める。
「………兄の相手が 私で良かった」
白哉のつぶやきに月島は何故と反応する。
「……黒崎一護は甘い男だ。怒りに駆られているとは言え、戦い始めて敵を討つまで、徹頭徹尾兄を斬る為だけに刀を振えるとは到底思えぬ。
更木剣八は更に論外。奴の望みは常に斬り合いだ。これでは一太刀与えれば敵の過去に割り込める兄の能力には余りに相性が悪い」
「……ふうん、でもそれって 君なら僕の剣を一度も受けないって聞こえるよ」
月島の刀が 白哉へと襲いかかる。
しかしそれを千本桜で止めると 月島は目を見開いた。
「ーーーー私は 兄の戦いを厭悪する。自らは手を下さず 絆を奪って敵を嬲るとは卑劣の極み。
死すべき無恥だ
かかって来るが良い
臨が刀を振る必要が無いよう
兄が一太刀を振り終える前に
私は兄を斬って捨てる」