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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第2章 プロローグ




黒子side


大学受験も卒業式を終えて無事春休みを迎えたボクの知り合いはみな大体が東京や神奈川等、関東の大学に集結した

それでもやはり忙しい人は忙しい訳で、「キセキの世代」全員が揃い会う機会はほぼほぼないに等しい




「…それに」



名前さんがいないと…全員集合した気になれない…。とそう思って溜め息を吐きながら市立の図書館を出て帰ろうと道を歩き始めた

空がオレンジ色に染まっていく中、高校1年生の時に主将から木吉先輩の話を聞いた歩道橋の近くまで行った際、「キャアアアア!!」という女性の高い悲鳴が耳に入った

それは偶然なのか、運命なのか、不思議に思って野次馬として、喧嘩ならば仲裁するために駆け足で声が聞こえた方へと向かった

そこは歩道橋の階段の下で、たくさんの人に囲まれている中倒れている人が見え、またオレンジ色の髪が見えた




「…名前、さん?」



そうポツリ呟くと前にいた女性が「知り合いですか?」と声をかけてきて、戸惑いながらも肯定を示すと女性は「知り合いの方がいらっしゃいました!」と声をあげて、僕の事を1番前まで連れ出した

すると目の前にはオレンジ色の髪を広げ、白い顔をして倒れて、真っ赤なそれを散らしている名前さんの姿があって、目を見開いた

そして次の瞬間、彼女の近くまで行って身体を揺すっていた



「名前さん…名前さん!!」


「やめろ!揺するな!!」


『…テ、ツヤ…?』



ふと聞こえた声に目を見開くと、僕の腕の中で名前さんがうっすら目を開けていた




『…テツヤ』


「!名前さ…大丈夫ですか!?」


『多分、へーき…』



そう言いながら彼女は力なく笑って、手を伸ばしてボクの頬に触れて、「あいつらのこと、また、手伝って…」と言って目を細めた

そのまま彼女は目を閉じて、伸ばしていた手を地面に落とした




「名前、さん…?」



あまりの様子に素直に再開を喜べず放心状態になっていると、救急車の音が聞こえてきて、横で彼女を介抱していた男性が「君が乗ってくれ」と言ってきて、それに力強く頷いた

それから救急車に乗ってからまず、彼女の母親の病院に連絡をお願いし、聞かれた事に返して、彼にメールを送った





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