第40章 ここってもしかして

「ただ、名前の前でやりすぎないように」

「どっからがやりすぎなんだよ」

「つーか何を気ィつけりゃいいんだ？」

「とりあえず未来の話やあまり仲良くしすぎるのは良くないかな」

「えー難しくねー？」

「…確かに、ボクたち本来なら出会ったばかりですしね」

「灰崎と黄瀬がいる1軍にいる時点で全然ちげーけど、そこはいいのか？」

「過ぎてしまったものはもうしょうがないだろう」

「え！名前ちゃんオレらの記憶ねえの！？」

「記憶がないと言うより当時のままなだけだ。オレらが異常なのだよ」

「うわーオレ名前ちゃんと話したかったのに！マジか、今話しかけても不審者じゃん…」


唇を尖らし不満を訴える高尾は「じゃあまたどっかで仲良くするしかねーな」とぼやいているが、本来の接点は半年ほど先である

その前に出しゃばっていいものかと困っていると、その表情を見た黒子が黄瀬を見て話しだす


「黄瀬君がバスケ部に入ってるのに何も起きていない時点で大丈夫だと思います」

「ええ！オレがバスケ部入るのそんなダメ？！」

「ダメじゃないです。あくまで判断の1つとしているだけです」

「さっきも言ったけど全員同じクラスの時点で全部おかしいだろ」

「だから普段は好きにして問題ないと思う。気を付けるのは名前だけだ」


携帯を持っているのが全員ではないこの時代に、苗字にバレないように水面下で動くのはなかなか難しいのではないかと考えるが、やるしかない

日も傾き始めたと、バスケ部の練習終了時間よりかは全然前だが彼らは解散し謎に2度目の中学校生活を歩み始めた