第19章 大晦日
1度消えかけたが、消えなかった。こんなことが春にもあったっと思い出す
良い方向に転ぶのか分からないので、彼女が消えなかったことは素直に喜べない
「黒子、もう病院連れてって平気か」
「はい。雪さんには連絡します。あと、赤司君にも」
「起きてるか」
「寝てるかもしれませんが…」
火神がタクシーを捕まえ、3人で乗り込む
電話をかけると2人とも電話がつながる、雪も赤司もすぐに病院に向かうとのこと
到着すると既に雪が待っていた
顔色の悪い苗字だが息はある。念のため検査をすることになり気が気じゃない彼らは外で待っている
「黒子、火神」
しばらくすると赤司がやってきた。一見いつもと変わらない彼のように見えたが身だしなみが少し乱れており、急いで来たことがわかる
「赤司君、夜中にすみませんでした」
「いや、連絡もらえて良かった。話をきかせてくれ」
火神が赤司に苗字の状況を説明するが、うまく伝わらないところがあり黒子が時々通訳を入れる
大体を理解した赤司は「分かった」とだけ言った
ベンチに座っている黒子と火神に眠気が襲ってくる。たまに船をこいでいる様子があったが、検査が終わった知らせを受けて目が覚める
特に異常はないそうだが、念のため彼女は入院することになり、春と同じあの個室
たまたま空いていたそうでそこで彼女は寝ている
「帰るなら車を呼ぶが、一度帰宅するか?」
「いや、心配だから居てもいいか赤司」
「ボクもです。いいですか?」
「断るわけないだろう」
割と広い苗字の病室でそれぞれ椅子に座り、そういえばと今更新年のあいさつを交わす
ウィンターカップの話や年末何をしていたのかを話していると、気が付けば黒子が規則的な呼吸を立てている
火神も眠そうに赤い目を擦っているがなんとか眠気を耐えている
「あいつ、今までで一番調子悪そうだった」
「…ああ」
「休もうって言っても全然受け入れねえんだよな」
「昔からそういう人だったかな、名前は」
そう言った赤司は火神を見て笑う。そのまま話していると夜が明けてきた