第15章 みんな一緒に
外が暑かったため皆が一気に飲み物を飲んでしまい、再び赤司が飲み物を取りに行った
その間に店員がお好み焼きのタネを運んでくるので焼こうかと苗字が考えていると、受け取った紫原は隣の青峰に器ごと渡す
「はい峰ちん」
「ちげえだろ。おら火神」
「そうだろうと思ってたよ…」
確かに料理と言えば火神だと納得した苗字はうんうんと1人頷き、付属のスプーンを使い混ぜ始める彼の姿を見つめる
ただ頼んだものが次々運ばれてくるのを彼一人では賄いきれないと苗字が受け取ろうとすると黄瀬が青峰の手から器をとって混ぜ始めた
「火神っち、なんでオレが火神っちの前に座った
分からないんスか?」
「あ?黒子の隣が良かったからじゃねーの?」
「違うっスよー!まったく火神っちもまだまだっスねえ」
「もったいぶらず早く焼けよ黄瀬」
「まかせてくださいっス!火神っちのその手さばき、模倣するっスよ!」
そう言った黄瀬は火神の手元をジッと見つめた後、彼と同じキレでお好み焼きの生地を混ぜ始め、鉄板に広げた
「どうっスか?!」
「苗字、ひっくり返すのやるか?」
『え、いいの?うまくひっくり返せるかなあ』
「失敗しても味変わんねえから安心しろ」
「大丈夫です。黄瀬君でもできるので」
「無視されて貶されてなんなんスか…」
「ざまあねえなリョータ、そんなんオレにも出来るに決まってんだろ」
「はあ?まだ焼いてもないのに何言ってんスかショーゴくん」
「おー誰だ?黄瀬と灰崎隣にしたヤツ」
バチバチな黄瀬と灰崎の斜向かいでは苗字がお好み焼きをうまくひっくり返せたと桃井と火神で褒めている
温度差に虹村がため息を吐くと、青峰の隣に座る紫原が苗字が火神より引き継いで焼いているお好み焼きをじっと見つめているのが目に入る