第22章 あなたと永遠に……15
「謙信様っ!!」
ちょうど馬から降りた謙信様の姿が私の目に飛び込んできた。
「かおる」
低くて艶のある声が私の名前を呼び、腕を広げてくれている。
迷いもなく私は愛おしい人の胸の中に飛び込んだ。
「おかえりなさい」
「元気にしていたか?」
「はい」
謙信様の胸に顔を埋めていると謙信様の匂いが鼻を擽っていく。
謙信様の胸の中にいるんだ……
満ち足りた想いに胸が熱くなっていく。
何度となく求めていた謙信様のぬくもり。
そのぬくもりに包まれているんだ___
それを肌で感じて、幸せで涙が溢れだしてしまう。
「泣くな……俺に笑顔を見せろ」
「っ……はい」
涙を拭い、笑顔を作るけどやっぱり嬉しくて涙で霞んでしまう。
はっきりと謙信様の顔を見たいのに。
「泣き笑いの顔も悪くはないな」
愛おしげに私を見つめてくれる謙信様
その笑顔にいつまでも包まれていたい