第22章 あなたと永遠に……15
そろそろ帰ってくる頃かな?
朝、報せを聞いてからの私は忙しかった。
謙信様の部屋を掃除したり、お花を飾ったりして。
いつもはお腹も減らないのに今日はとてもお腹が減って久しぶりに美味しくご飯も食べれたし。
昨日までの景色でさえ違うように見えるなんて、単純すぎるかも。
すべてが光り輝いて見えてくる。
「かおるさん、今いいかな?」
「佐助くん? どうぞ入って」
「おじゃまします……あ」
「ん?」
「今日はずいぶん顔色がいいみたいだね」
「……お化粧をしてるからかな?」
「それだけじゃなさそうだけど」
意味深に笑う佐助くん
何が言いたいのか分かってしまって頬が熱をもってくる。
「謙信様に会えるから嬉しいんだろ?」
「うん」
「素直だね」
「へへ……」
謙信様に会える喜びを隠すなんて出来ないよ。
「ところでかおるさん」
「なぁに?」
「今日は顔色もいいし、食事もしたみたいだけど」
「うん。今日は身体も軽いしご飯も美味しく食べれたよ。昨日までの自分が嘘みたい」
昨日までの私は身体も怠く、味覚さえなくて食事も一切とってなかった。
ただひたすらに喉の渇きに耐えていただけ
(血を飲みたいという衝動を抑えながら)
「ふむ……(そうなると俺の仮説は間違っていたのか?
間違っていた方が嬉しいが……
それでも不安が払拭されないな)」