第19章 あなたと永遠に……13
「では、行ってくる」
「ご武運を……」
白馬に跨り、甲冑に身を包んでいる謙信様を初めて見るけど、その姿は凛々しく、神々しい。
「毎日、文を書いてやる」
「楽しみに待っています」
他愛のない会話にでさえ愛しくてたまらない。
しばらくの間、会えないと思うと不安だった気持ちよりも、寂しいと思う気持ちが強くなってくる。
「そんな顔をするな」
「え?」
「寂しいのは俺も一緒だ」
儚げに微笑む謙信様を見ていると胸がつまる。
泣いちゃいけない
今日は泣かないで見送ろうと思ったのに。
涙を堪えて笑みを作る。
「戻ってきたら……いっぱい甘えて下さいね」
「甘える? この俺が?」
「はい」
「甘えるのはかおる、お前だ。覚悟しておくんだな」
「っ……はい」
「かおる、背伸びをしてみろ」
「? こうですか?」
つま先立ちをして謙信様を見つめていると、掠めとるかのように唇が触れて離れていった。
優しいぬくもりに胸が熱くなってしまう。