第18章 あなたと永遠に……12
「泣くくらいに嬉しいのか?」
「っ……はい」
「泣くより笑った顔が見たい」
慈しむような微笑みを浮かべる謙信様。
その微笑みを見ているだけで私は世界中の幸せを手に入れたみたい。
嬉しくて幸せで言葉にするのが出来ないよ。
どうして謙信様はこんなにも私を幸せな気持ちにさせてくれるの。
「かおる」
「……はい」
「信長と決着をつけたら祝言をするぞ」
それって……
「ぷろぽーず……というやつだ。異存はあるまい?」
「はい!」
嬉しくて謙信様に抱きつくと、私の身体をしっかりと抱きとめてくれる。
背中に回った手の温もり
謙信様の優しさ、愛情
私は一生忘れない。
改めて思う。
私はこの時代で謙信様の傍で一生を終えよう
例え何があろうとも……
「かおる、俺がいくさに行っている間は健康でいろ」
「?」
「いくさが終わったら……俺の子を産め」
「……はいっ」
謙信様との間に赤ちゃん。
きっと謙信様に似たら美しい赤ちゃんが産まれるんだろうな。
謙信様はどんなお父さんになるんだろう?
謙信様との楽しい未来に思いを馳せている今が1番幸せ。
私はこの幸せがずっと続くと信じて疑わなかった。