第18章 あなたと永遠に……12
「かおる、出掛けるぞ」
「え?」
キスの余韻に浸っていた私の手を取り、部屋から連れ出されてしまう。
「どちらへ?」
「黙ってついてこい」
連れてこられたのは謙信様と始めて出会った湖。
あれから半年近くが過ぎていた。
始めて謙信様に会った時は綺麗だからこそ、冷たい印象を抱いていた私。
でも、謙信様を好きになって知れば知るほど情の深い人だということを知っていった。
「見せたいのはこっちだ」
手を繋いで歩いていくと
「うわぁ……綺麗」
見渡す限りに広がる白い花__
謙信様は近くにある花を摘むと器用に何かを作りはじめている。
「シロツメクサ……これってクローバーの花……だよね?」
クローバーていったらよつ葉のクローバーだよね。
よつ葉のクローバーを見つけたら、戦場に向かう謙信様の御守りになるかな?
安易な考えだと思うけど、今の私にはそれしか出来ない。
よつ葉のクローバー……見つかるといいな
草を掻き分けて探していると
「かおる……何をしている?」
「戦場に行く謙信様を守ってもらえるように御守りを……」
「御守り?」
「はい。このクローバーの葉っぱは普通3つに分かれているんですけど、たまに4つに分かれているのがあって……それを持っていたら幸運が訪れるんです」
「なるほどな」