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あなたと永遠に……【イケメン戦国】

第17章 あなたと永遠に……謙信side6


……苛々する

自分の感情を持て余して苛々することは珍しい事ではない。


「……まあ、こんな感じでいいですか?」

「そうだな。謙信も異存はないな?」

「……(かおるに何日触れていない?)」

「謙信……?」

「謙信様?」

「謙信……聞いているのか?」

「(かおると最後に会話をしたのはいつだ?)」

「謙信!!」

「……うるさいぞ、信玄。怒鳴らなくても聞いている」

「心ここにあらず……という感じだが?
愛おしいかおるの事でも考えていたのか?」


にやりと笑う信玄に見透かされたようで面白くない。


「俺の頭の中は信長と殺しあう事しかない」


いつもの俺ならば迷わずに言うんだが……


今は違う。

確かに信長と殺りあうのは愉しみだ。
が、それ以上にかおるへの想いが俺の心を支配している。

かおると出逢う前の俺は、なによりもいくさが好きだった。
いくさの中、ぎりぎりの線での命のやり取り

刹那的な快楽
その快楽に身を委ねるのが俺の愉しみであった。





「俺も腑抜けたか……」

「ん?……何か言ったか?」

「気にするな。信玄、後の事は任せたぞ」

「ん?どこに行くつもりだよ?」

「察してやれ、幸」

「?」


笑いを噛み殺しながら幸村を諭す信玄に一言いってやりたくなるが、それを無視して俺は広間を後にした。








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