• テキストサイズ

あなたと永遠に……【イケメン戦国】

第16章 あなたと永遠に……11


謙信様の腕の中で先ほどまで与えられた熱を冷ましながら、頭の隅っこで不安に思っている事を口にするか、どうするか悩んでいた。


「かおる」

「はい?」

「言いたい事があるならはっきりと言うがよい」


謙信様の瞳は、探るように私を見つめてはいない。
この方は、わかっているんだ

私が口にしなくても、私の心の奥底まで見据える事が出来ている。

嘘なんか通用しない



「……いくさ……」

「いくさ?」

「始まるんですか?」

「近いうちに始まるであろうな」


遠くに想いを馳せるような謙信様の瞳には、私は映ってはいない。

それが心細くて、謙信様の着物をキュッと握りしめてしまう。


「かおるが案ずる事は何もない」

「でも……いくさが始まれば謙信様も?」

「今回は、信玄と伴に出陣する」


やっぱり……
行ってしまうんだ


「春日山城に戦火が広がる事はない。幸村と佐助がこの城を守る。かおるは安心して日々を過ごすがよい」

「……どうしても……いくさに行くんですか?」

「愚問だな……敵は織田信長だ」


初めて見る好戦的な謙信様に私はそれ以上、何も言えなかった


知識としてはわかっていたつもり
私がいる時代は戦国時代

誰もが天下統一を目指して群雄割拠している。


この時代で生きていくと決めたんだから、常にいくさが側にある事を自覚しないといけない……よね。
/ 123ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp