第9章 あなたと永遠に……6
「謙信様はどうして私を此処へ?」
「理由などないが__
かおると一緒に桜を愛でたいと思っただけだ。気に入らなかったか?」
「いいえ……とても気に入りました」
「そうか……なら良かった」
今までの謙信様とはちょっと違う
なんだか雰囲気が柔らかい
桜の花びらが舞い落ちる中で盃を傾ける謙信様の姿はとても絵になる。
男の人なのにどうしてこんなにも美しいの?
その美しさに見惚れてしまう
「どうした?」
「っ……なんでもありません」
まじまじと見すぎちゃったみたい
ちょっとだけ気まずくなってしまうけど、謙信様は特に気にしてる感じもないみたい。
「今日は暖かいな」
「そうですね。ぽかぽか陽気ですからお昼寝には最適ですよ」
「昼寝か……少し寝るか」
「え?」
断りもなく私の膝の上には謙信様の頭が乗っている。
どうしたらいいの?
膝がっ
膝が緊張するよ
心臓が破裂しそうなくらいに早く動いているし、息も苦しい
1人で焦ってドキドキしているのは私だけで謙信様は、穏やかな寝息をたてているじゃないの
「なんだかな……」
小さな子供みたいに安心しきって寝てるなんて、ちょっと可愛い所もあるんだなって思ったらドキドキは収まってきて、代わりに愛おしさが込み上げてくる。
眠りを邪魔しないように額にかかった髪をそっと払う。
柔らかい髪の毛なんだ
それに、睫毛も長いし
謙信様の寝顔を見て過ごす時間は、私に幸せを運んでくれるみたい
きっと私……謙信様の事が
好きなんだ