第9章 あなたと永遠に……6
「はぁ~……」
ため息をつきながら私は自分の右手を見つめていた。
謙信様と祭りに行ったのは3日前
なのに私の右手は謙信様の熱を覚えている。
金魚すくいをした後
「勝手にいなくなられては面倒だ」
と言われ、私の右手を握りお城へと帰ったんだけど……
どうしよう?
その事を思いだすだけで、胸が苦しくなってくる
それはとても甘い痛みで、泣きたくなるくらいに胸が切なくなるの。
10代の小娘じゃないのに、ただ手を握っただけ__
それだけの事なのにどうして?
こんなにも意識してしまうのかしら?
差し出された手に触れた瞬間に胸の奥が痺れが走ったのは私の気のせい……よね?
「……どうしよう?」
考えないようにしているのに謙信様の事を考えてしまう。謙信様に会いたいって思ってしまっている。
手を繋いだだけで恋に落ちるなんてあり得ないよ。
恋愛経験が無いわけじゃない
今までにだって人を好きになったことはあるし、お付き合いだってした事がある。
「ただ……気になるだけよね?」
私の中で芽生えた想いが恋になるのか
それともただ気になる存在で終わるのか……
「かおる、はいるぜ」
この声は……幸村さん?