第7章 あなたと永遠に……5
「かおるさん、久しぶりだね」
「本当に久しぶりだよね」
急な任務を終えた佐助くんが、私の部屋を訪ねてくれたのは私がこの時代に来てから数週間がたっていた。
やっぱり佐助くんの顔を見ているだけで落ち着くよ
「どうだい? ここの暮らしにも慣れたかい?」
「ん……まあね」
どうしても満面の笑みでは応えられなくて苦笑いになってしまう
そんな私の気持ちを察してくれたのか
「信玄様が近寄らないように幸村にも頼んでおいたんだけど……すまなかった」
「佐助くんが謝ることじゃないよ
ちょっと信玄様には困ってしまうけど、根は悪い人じゃないし」
「それが1番曲者なんだけど」
お互いに顔を見合わせ、苦笑いをする。
「謙信様とも上手くやっているみたいだね」
「どうしてそう思うの?」
「謙信様から贈り物を貰ったみたいだから」
「知ってたの?」
「直接は聞いてないけど、この部屋にある調度品は謙信様好みになっているし、何より……」
「ん?」
「かおるさんが着ている着物」
「これ?」
「謙信様好みの着物だからね」
謙信様好み__
その言葉を聞いた途端に恥ずかしいような、頭を傾げてしまうような妙な思いがする。
謙信様は、私の事をどう思っているの?
贈り物のお礼を言った時も素っ気なく
「かおるが気に入ったなら問題ない」
と一言で終わりにされてしまったし……
上手くやっていると言えるのかな?
「謙信様って不思議な人だよね」
「あの方は人を魅了する__カリスマ性を持っている方だ」
「カリスマ性?」
「かおるさんもそのうちに気付くよ」
カリスマ性__ね