第4章 あなたと永遠に……3
本当に嬉しそうに幸村さんの頭を撫でまわす信玄様と顔を真っ赤にして嫌がる幸村さんを見ていると、なんだか胸がほっこりとする。
本当に仲良さそうでまるで兄弟?
ううん、違う
(親子みたいに見えるって言ったら怒られそうだから内緒)
「お前、なに?1人でニヤニヤと笑って」
「え?」
そんなにニヤニヤしてたかな?
単純に微笑ましく見てただけなんだけど
気分を悪くしちゃったかな
「ごめんなさい……」
「べ、別にっ……怒ってるわけじゃねーよ」
「本当に?」
「っ……(上目遣いとか……可愛いく見えるじゃん。勘弁してくれよ)」
私から顔を背けたまま
「やる!!」
目の前に差し出された包み紙
受け取ると温かくてお饅頭の甘い香りが鼻をくすぐっていく
「ありがとう」
「別に……」
ぶっきらぼうに答える幸村さんの耳は少し赤くて、口は悪いけど優しい人なんだなって思う。
「幸にしては上出来だ」
「だからっ……頭を撫でるのはやめて下さいって!!」
「ん? ご褒美だよ、幸」
「いらないですって!!」
やっぱりこの2人を見ていると和んでしまう。
「お前たち、此処で何をしている?」
「謙信様……」
突然部屋に入ってきた謙信様は、憮然とした表情を浮かべている
機嫌が悪いのかしら?