第4章 あなたと永遠に……3
「かおる様、信玄様より贈り物が届いてますよ」
にこにこと笑顔を浮かべ荷物を抱える女中さんに、私は苦笑いをしながらため息を吐いた。
この城にきて数日が過ぎたのだけれど、毎日の日課のように信玄様からプレゼント?を貰っている。
最初の頃はとても有難いと思って素直に受け取っていたんだけど、こう毎日では気がひけてしまう。
貰ってばかりで私は信玄様に何もお返しが出来てないのが、心苦しい
「まあ、かおる様……素敵な紅が入っていますよ」
「あ! 可愛い色だね」
「かおる様にお似合いですよ、流石は信玄様ですわね。かおる様に似合う物をきちんと選ばれてますよね」
似合うかどうかは……ちょっとわからないけど、私が好きな色の紅。
嬉しいと思うんだけど、やっぱり……
申し訳ないと思ってしまう。
「かおる……入ってもいいかな?」
障子越しに聞こえる落ち着きのある低い声。
最近では声だけで誰だかわかってしまう。
「どうぞ、信玄様」
「邪魔するよ」