第27章 永遠の愛を
私の左手薬指には小さな痣がある。
生まれた時からついていたみたい。
物心つく頃におばあちゃんが
「これはまるで花の指輪みたいだね。きっと、かおるには運命の人がいるんだろうよ」
運命の人……
それが誰なのかわからないけど私は捜している。
きっと逢えばわかるはず__
それにしても
「此処はどこ?!」
友達と一緒に山に遊びにきたのに、はぐれちゃって迷子になってしまった。
スマホを見たら圏外
前を見ても木
後ろを見ても木
右を見ても左を見ても__木
「はぁー……」
ため息をついてもしょうがない。
まずはここから抜け出そう。
どっちから来たっけ?
(若干の方向音痴デス)
どっちに向かって歩いていいのか分からないけど、とりあえず歩かない事には事態は変わらないよね。
行く手を阻む枝を折りながら、私は前へと進んでいく。
しばらく歩いていると遠目にキラキラと光るのが見えてきた。
「池……? 湖……かな?」
木以外の風景を見れた事が嬉しくて私は、その方向に向かって全速力で走った。
周りの景色が開けてきて喜んだのもつかの間
「きゃあー!!」
突然身体が宙を浮いたかと思うと、すぐさま落下していく。
湖に落ちる!!
始めて体験する衝撃
その直後に息苦しさと大量の水が体内に入ってくる。
必死になってもがくけど、身体はどんどんと水の底に落ちていく
意識が遠のきそうになっていると腕が見えたような気がする。
前にもこんな事あった?
私の腕を引き寄せてくれるのはだれ?
綺麗な瞳
私は覚えているような気がする