第26章 あなたと永遠に……最終章
此処に来る前にみんなとお別れをしてきた。
幸村さんは目を真っ赤に腫らし、別れを惜しんでくれてた。
〖本当にそれでいいのかよ〗
〖うん。もう決めた事だから〗
〖だからって!俺は納得出来ねーよ!謙信様のが嫌なら俺の血をやるよ!だからっ……〗
〖幸……そういう問題じゃないだろ?〗
〖わかってますよ!わかってるけど……〗
〖辛いのは2人だ〗
そう呟く信玄様も辛そうで心が痛くなる。
〖信玄様……〗
〖ああ……すまないね。きみにそんな顔をさせて……
お詫びのしるしに抱きしめてもいいかい?〗
〖信玄、斬るぞ〗
〖くすっ……信玄様ったら〗
信玄様のいつもの戯れに頬が緩んでしまう。
〖何かあったら相談するように言っておいたのに、悪い子だね〗
軽く頭を小突く信玄様の優しさに涙がでそうになっちゃうけど、我慢しなくっちゃ。
笑顔でお別れしたい。
みんなの記憶には幸せな笑顔の私を覚えていてもらいたいから。
〖かおるさん、すまなかった〗
〖どうして謝るの?〗
〖俺はかおるさんを助ける事が出来なかった〗
〖そんな事ないよ、私はたくさん佐助くんに助けてもらったよ〗
佐助くんがいなかったら私は謙信様と会う事が出来なかったもの。
〖佐助くん、幸村さん、信玄様……謙信様のこと、よろしくお願いします〗
〖大丈夫だよ、かおる。謙信の事は俺が責任をもって監視する〗
〖監視だと?〗
〖俺も!梅干しばっかり食ってたら止めてやるから!〗
〖……梅干しはいいだろ。好物だ〗
〖安心して、かおるさん。俺が影となり謙信様を守る〗
〖ありがとう、みんな〗