第2章 あなたと永遠に……2
「じゃあ、俺と吞み比べしようぜ?」
「うん、いいよ」
私と幸村さんと交互にお酒を吞みほしていく。
幸村さんってお酒が強いんだ
全く顔が赤くならない
「お前すげーな」
「幸村さんこそ」
初対面なのに前からの知り合いのように楽しくお酒を呑むなんて信じられない
「そろそろ降参か?」
「まだ全然大丈夫だよ」
とは言っても……
そろそろ10杯は吞んでる
いつもよりハイペースで呑んでるし、酔うというよりはお腹が苦しくなってきたかな?
慣れない着物のせいで、身体が悲鳴をあげそう
でも、なんか負けたくない
「そろそろやめた方がいいぞ、2人とも」
やんわりと釘を刺してくる信玄様にまだまだ大丈夫と言わんばかりに私も幸村さんも笑顔で応える。
「はい、幸村さんどうぞ」
からになった盃を幸村さんに渡して、お酒を注ごうとするとパタリと信玄様の膝の上に崩れ落ちてしまった幸村さん。
「あら?」
「幸ったらしょうがないな」
さっきまで普通の顔色だった幸村さんの顔は、今は真っ赤になっている。
「……つぶれちゃいました?」
「幸は自分の限界に達すると糸が切れたように眠ってしまうんだ」
苦笑しながらも信玄様の幸村さんを見つめる瞳は、とても優しい。
「幸、俺の膝で寝るんじゃない__
俺の膝は女性専用だぞ」
「ん~まだ……のめる……」
「まったく……しょうがないな」
「ふふっ……」
口ではぼやいてるけど、自分の羽織を幸村さんに掛けてあげてるなんて信玄様は、幸村さんの事を大事に思っているんだな
微笑ましい光景を見ていたら、なんだか頭がほわほわとしてきて瞼が重くなっていく
身体が重い……