第24章 あなたと永遠に……謙信side8
「……というわけです」
「佐助の言いたい事はわかった」
「謙信様は……俺の話を信じてくれるんですか?」
「信じてほしくないのか?」
「……微妙なところですが……」
困ったような顔を終始見せつけながら俺にかおるの変化を話す佐助の言葉を否定するつもりはない。
が、俺は自分の目に映る物しか信じない。
「で、佐助はどう考える?」
「俺の仮説が正しいのであれば……」
「遠慮する事なく言え」
「……現代に戻ればかおるさんは、助かるかと……」
「なるほどな」
冷静を装って答えるが、心の中は怒りと切なさとかおるを想う気持ちが乱れ飛ぶ。
かおるが元の時代に戻る
俺の届かない所に行ってしまうだと?
そんな事を俺が赦すと思うか?
俺の傍にいたら人から違う生き物になってしまう。
かおるが苦しむ姿は見たくない。
それは俺の本心ではあるが、本音は手放す気など更々ない。
それでも行きつく先の答えは1つ
かおるの笑顔を守ってやりたい。
あいつのふぬけた笑顔を守るためなら俺はどんな事でもしよう。
例え、それが俺の意に反するものであっても……
「佐助、最悪の事態に備えろ」
「……わかりました」
「失礼いたします!! 謙信様!!」
「何事だ?」
「かおる様が倒られました!!」
「かおるが?」