第18章 月島夢07
俺の友達、ツッキーこと月島蛍は昔から何でもそつなくこなせて凄く格好良い自慢の友達だ。
だけどそんなツッキーでもそつなくこなせないことがあるんだなぁ、と俺は朝練後の体育館で繰り広げられてる光景を見て思ってたりする。
「月島くんの意地悪!!何で私にばっかりそうやって意地悪するの?!」
「意地悪?君がおかしなことばっかりしてるから教えてあげてるだけデショ。それに君にばっかりってことも無いし…自意識過剰なんじゃない?」
「うううう…!!おかしなことばっかりしてないよ!自意識過剰でも無いし!月島くん、女の子には優しいもん!私以外!!」
「…………そんなこと、無いと思うケド。」
「ある!だって仁花ちゃんがちょっと失敗しちゃっても何にも言わないし、流れ玉に当たった時に大丈夫って声かけてあげたりするし!!私の時は笑ってドジだとか鈍いだとかからかうのに!!!」
「…うるさいな、谷地さんと柚季は違うんだよ。」
ツッキーは天崎さんから顔を背けて、それから俺の方に歩いて来る。
「山口、教室戻ろう。」
「あ、ちょっと!!」
「だからうるさいってば。君も早く着替えないとホームルームに遅れるよ。」
行こう、ともう一度俺に声をかけて、ツッキーは先に歩いて行ってしまう。
体育館に残されたのは怒ってるのと泣きそうなのが混ざった表情をしている天崎さんと俺の2人。
…少しだけ、伝えておこう。