第11章 菅原夢03
私って大事にされてるなぁと孝支といるとよく思う。
些細なことなんだろうけど、私が作ったお弁当を食べて毎回「美味しかった、ありがとな。」って言ってくれる所とか、重い物を持ってくれたりだとか、歩く時には必ず私の左側を歩いてくれる所とか…考え出したらキリがないくらい。
今だってそうで、私は隣を歩く孝支を見る。
澤村くんや東峰くんといる時とは違う、ゆっくりしたペースで私の歩幅に合わせて歩いてくれている。
当たり前のように、自然にやってくれるから本当に優しい人だなぁと思う。
そんな風に思って顔を見上げてたら視線を感じたみたいで孝支が私を見た。
目が合ったらふっと優しい顔で微笑まれて胸がドキリとする。
「どうした?俺のこと、ジッと見て。」
「…えっと………」
「ん?言ってみ?」
「……孝支っていつも優しくて、私って大事にされてるなぁって考えてて…。」
自分で大事にされてるって言うのは少し恥ずかしいけどそう言うと、孝支は驚いた顔をしてからニッと笑った。
「そりゃそうだろ?俺は柚季のこと、大好きなんだから。好きな子を大事にするのは当然だべ?」
ストレートな言葉にびっくりして思わず立ち止まると孝支が面白そうに笑う。
「何びっくりしてんの。」
「や、凄くストレートに大好きって言われたから…。」
「それでそんなにびっくりしなくても良いだろー?…じゃあこれからはもっと頻繁に言うかな。柚季が大好きだー大切だーって。」
「え、えぇっ!」
それは嬉しいけど照れちゃうから困る…!!!