第8章 LOVEの味

「も、もう1回って？」


目を白黒させる雅紀。


「 “ もう俺のこと好きじゃないんだ ” 」


さっきの雅紀の言葉を繰り返す。


「え？違っ、好きだよ！」


何か勘違いしたように慌てて言う。


「さっきそう言いましたよね？」


「あ、うん…そっちね。

なんだ…良かった」


良かった、じゃないよ。


「俺が雅紀のこと飽きたように見える？」


眉間に深くシワを刻み、雅紀の目を見据えて口を開く。


これは俺にとって大事なことだから。


「ごめんなさい…」


少し怯えたように震えた声で謝る雅紀。


「謝って欲しい訳じゃない。

俺はただ答えて欲しいだけなの」


怖がらせたい訳でも、謝って欲しい訳でもない。


ただ本当に俺が雅紀に飽きたように見えるのか、それだけを知りたいだけなんだ。