第8章 LOVEの味
そのDVDは勿論…。
「なんで俺らのなんだよ」
ライブツアー、LOVEのDVDだった。
「和と愛し合いたいから。
だから無言の訴え」
膝を抱えている雅紀はなんというか愛らしい。
歳上の癖にそういうところが子供だ。
「話してる時点で無言じゃないし」
雅紀は休みの日や時間のある時には必ずこう言って来る。
“ イチャイチャしよ ”
“ 愛し合おうよ ”
“ チューしよ ”
“ 手ぇ繋ごっ ”
“ 一緒に寝よ ”
別にそれ自体嫌じゃないし、むしろ嬉しい。
けどやっぱり素直になれないのは俺の悪いところ。
本当は今すぐにでも抱きしめて、キスして、雅紀の望む通りにしてやりたい。
それでも足りないのなら俺の全てをあげたって良い。
事実はそれぐらい好きで好きでたまらない。