第5章 嫉妬の味
「はぁ…」
溜め息を吐いて携帯を弄り始めた。
俺、やっぱりなんかしたんだよね??
嫌われちゃった…?
目を合わせたくない程に?
ジワリ…と目に涙が浮かぶ。
すると…。
ピロリン♪
俺の気持ちとは反対に携帯が明るい着信音を告げた。
「うー…あ、メールだ」
重たくゆっくりな動作で携帯を取り出し、確認する。
「あれ…?」
翔ちゃんからだ。
目の前に居るのになんでメールなんだろ?
とにかく中を確認しない限りなんともいえない。
誤送かもしれないし。
翔ちゃんに限ってそんなことはないと思うけどね。
意を決してメールを開くと。
雅紀、なんか冷たくあたってごめん。
嫌いになったとか、そういうことじゃないよ。
ただの嫉妬だから…ごめん。
そう書いてあった。
「翔…ちゃん?」
嫉妬って一体誰になのかな?
ひょっとして俺の為に妬いてくれたりしないかなぁ。